サバの日

38日は「サバの日」です。サバと聞くと、東日本大震災で災害被害を受けた地域の復興を目指す支援団体「東の食の会」とYahoo! JAPANが立ち上げた「三陸フィッシャーマンプロジェクト」と岩手の特産品を販売する「岩手県産株式会社」が共同で開発した「サヴァ缶 Cava?」が最初に思いつきます。缶のビジュアルがサバ缶とは思えないほど可愛らしくて思わず手に取ってしまうデザインで、Cava?はフランス語で「元気?」という日常会話で使われる言葉で、それもうまい具合におしゃれにマッチしています。インパクトのあるデザインですね。

サバは古くは縄文時代から食べられていたという、日本人には馴染み深い魚です。近海でとれるサバですが、「サバの生き腐れ」という言葉があるように、急速に鮮度が落ちやすいという扱いにくい面があります。年齢をごまかすことを「サバを読む」といいますが、これは鮮度が落ちやすいサバを大量に売りさばく際、漁師や魚屋がろくに数も数えずに売り買いしたことに由来するそうです。このサバの鮮度が落ちやすいという弱点を克服するために、加工する技術が発達しました。食あたりを防ぐために酢を使った「しめさば」など、独特の食べ方も生まれました。

魚料理はどうしても手間がかかるし、食べるときに骨を取るのが面倒で、忙しいときには敬遠しがちです。家庭で食べるサバは塩焼きか味噌煮が定番で、後は干物を焼くくらいという時代に育った人にとって、サバはそれほど好きではないかもしれません。しかし、健康志向の高まりから、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やすDHAEPAという栄養素が注目されるようになり、ビタミンB12やビタミンDも多く含まれるサバなどの青魚の価値は上がりましたが、青魚は苦手という方も多いのではないでしょうか。青魚はうまく調理できれば美味しい食材ですが、自分ではなかなか難しいものです。

最近では、サバ料理はもっぱら缶詰という方も多いようです。そのまま食べられる状態になっているので、とにかく手間がかからない便利さが受けているようです。サバの水煮缶がダイエットに効くということでブームにもなりました。このブームのおかげでサバの水煮缶は食卓に定着した感じです。さらに工夫を凝らした新製品開発もあり、サバ缶も進化してきています。いわゆる水煮だけでなく、「サヴァ缶 Cava?」のような、オリーブオイル漬けやレモンバジル味なども人気になっています。サバの日に、日本人が古くから恩恵を受けているサバへの感謝を示すとともにサバについて深く考えてみるのもいいかもしれません。そして、手軽においしく食べられる加工品をうまく活用して、日々の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。