年越しそばは、手軽でおいしくて、縁起がいいから広まったようです。始まったのは江戸時代中期頃ですね。古くから救荒作物として育てられていた蕎麦ですが、同時に、縁起物としてハレの日に食べるものでもありました。例えば、日本三大そばのひとつである岩手県のわんこそばも特別な日にふるまうものとして発達してきたご当地そばのようです。江戸時代中期の「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」には、そばが身体に良いことが書かれていて、健康食であることもよく知られていたようです。縁起物で健康にも良いそばが、「みそかそば」「節分そば」と呼ばれて、毎月月末や季節の変わり目に食べられるようになったのは江戸時代中期です。
「みそか」とは月末のことで、「節分」とは、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日を指します。中でも立春の前日は、旧暦の12月末日(大晦日)と数日しか離れていないこともあり、この一年の最後あたりに食べるそばが、だんだんと年越しそばになっていったと考えられています。「年越しそば」という呼び名が全国的に広まったのは明治以降らしく、江戸時代は「運そば」「年取りそば」(数え年で歳を取るから)とも呼ばれていたそうです。なぜそばなのかという由来に関しては、諸説ありますが、願掛け、験担ぎということで昔の人は一杯の年越しそばを食べるのにも願いを込めていたようです。
年越しそばを食べるタイミングは、一年の厄災を断ち切るという意味では、翌年に持ち越さないようにしましょう。除夜の鐘が鳴り始めるまでには食べ終わった方が良いかもしれません。食べる時間には特に決まりはありませんが、大晦日の夕食に食べる派と、23時過ぎに食べる派に分かれるようです。縁起物ですから、残さずきれいにいただきましょう。岩手県の「わんこそば」はお殿様をもてなす料理だったという説もあります。1人前は、わんこ(椀コ)7杯とも、15杯ともいわれます。小分けにしたときにツルッと食べられるよう、麺が通常より長く切ってあるなど、たくさん食べられる工夫がしてあります。かつては、年齢の数と同じ杯数のわんこそばを食べる「年越しわんこ」の習慣があったとか!本当だとすると年寄りには酷な年越しわんこだったのですね。
年越しそばは、元気ですこやかに新年を迎えたいという、庶民のささやかな願いや現世利益の思いが込められた縁起物と言えそうです。今年は新型コロナウィルスの感染拡大により、例年とは違う日常生活を余儀なくされたと思います。まだまだ終息の気配がありませんが、私達のできる基本的な感染対策をしっかりとしながら来年は良い年を迎えたいと願うばかりです。今年もお世話になった皆様にこの秋に収穫したばかりの弊社の新蕎麦を使ってつくられたそば(製粉は弊社、製麺は北上の黄金製麺所)、年越「万福」蕎麦(賞味期限は2021年1月1日までです!)を是非、お召し上がりいただき、コロナに負けない新しい年をお迎えいただきたく、ご案内させていただきます。1箱(4食入り、北海道利尻昆布のめんつゆ付き)が1,500円(税込)です。お申込期間は12月1日(火)~18日(金)でご注文は通販専用フリーダイヤル(0120-73-6471)、FAX(0197-73-6475)で承ります。FAX送信用にご注文承り票を添付しますのでご利用願います。北上市内への配達期間は12月25日(金)~29日(火)、ゆうパックチルド便による発送(送料は別途承ります)は12月25日(金)~28日(月)の間で予定しています。お申し込み時にお届けのご希望日時をご指定ください。そして、そばの鮮度を保つため、商品到着後はすぐに冷蔵庫に保管をおねがいします!