今年の十三夜は10月29日です。お月見といえば中秋の名月が有名ですが、日本では十三夜もまた美しい月であると大切にされてきました。十五夜は天候が悪いことが多いですが、十三夜は晴れることが多く、「十三夜に曇りなし」と言われています。昔から十五夜か十三夜のどちらかの月だけをみることは「片見月」といわれて、縁起が悪いこととされています。お月見は女神のお祭りとしているため、十三夜を怠るなという戒めであるということなど諸説はありますが、2つの月を楽しむようにしましょう。
十三夜とは「13日目の夜」という意味です。新月(月が全て欠けて見えない状態)を1として、13日目の夜だから十三夜といいます。十三夜は旧暦9月13日の日を指しますが、旧暦9月13日以外の13日目の夜も十三夜と言っていた時もあったようです。別名として、中秋の名月(十五夜)の後のお月見ということから「後の月」と呼んだり、栗や豆を神棚に供えることから、「栗名月」「豆名月」と呼んだりもします。地域によっては「小麦の名月」「女の名月」とも呼ばれるようで、いろいろな名前で親しまれているようです。
十五夜は月齢で「満月」を示す言葉であり、月齢で数えた時の15日目がちょうど満月となりますが、15日より前の十三夜は満月ではありません。月を愉しむのであれば、満月だけじゃなく、その満ち欠けの流れも味わうと良いのかもしれませんね。月見団子は満月を模したもので、収穫への感謝の他に健康や幸福も表します。月見でお供えする団子の数には2つの説があり、1つはその月の日数で、十五夜なら15個、十三夜なら13個というものです。もう一つはその年の旧暦の月の数で、平年なら12個、閏年なら13個というものです。
十三夜は「栗名月」「豆名月」といわれるぐらいなので、この時期に収穫した栗や豆をお供えすると良いかもしれませんね。その他、十五夜と同じ、月見団子、ススキ、野菜や果物などをお供えします。特にぶどうなどのツルものは月とのつながりが強くなるといって縁起の良いお供え物になるようです。お供え物は供えた後に食べることで神様とのつながりが強くなると言われていますので、供えた後はみんなでおいしくいただきましょう。