二十四節気の「霜降(そうこう)」は、10月23日頃にあたります。二十四節気の「寒露(かんろ)」から数えて15日目頃ですね。秋が一段と深まり、朝霜が見られる頃です。朝晩の冷え込みが厳しくなり、日が短くなったことを実感できます。初霜の知らせが聞かれるのもだいたいこの頃で、山は紅葉で彩られます。コートや暖房器具の準備など、この頃から冬支度を始めます。読書や編み物をしたりして、秋の夜長を楽しむのもいいですね。霜が降りるには、その周辺の温度が0℃以下であることが条件ですが、気象庁で発表される気温は地上から1.5mの高さで観測しますので、気温が3℃と発表されても地面の温度は0℃以下になっていることもあります。農業はもちろん、花や植物の栽培にも霜は要注意です。天気予報で予想気温が3~4℃であっても霜対策をしておいた方が良いようです。期間としての「霜降」は、立冬までの間を指しており、今年は10月23日から11月6日までの期間を指します。
二十四節気は「実際の季節感をずれている」と感じることがあります。特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、「春というにはまだ早い」などと感じます。夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日を言いますが、夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2ヶ月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。ただし、二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分して春夏秋冬を決めました。そのため、「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。二十四節気が作られた中国黄河流域と日本の気候のずれからも来ているようです。中国には梅雨と台風がないため、暑さのピークが日本よりも1~2ヶ月程度早いのと、中国では1月が最も寒く2月より12月のほうが冷え込んでいるので、これも冬の季節感のずれにつながっています。
「二十四節気」は、古代中国で作られた農事を指導するために作られた暦で、春秋戦国時代(紀元前770~紀元前221年)に黄河流域で作られたと言われています。中国では暦として月の運行に基づいた「太陰暦」が使われていましたが、これは実際の季節とズレが生まれてしまうため、太陽の運行の軌跡を24等分した「二十四節気」や、それをさらに約5日ごとに分割した「七十二候」が作られました。このようにして季節の変化をきめ細かく捉えて農事に生かしたのです。この「二十四節気」は日本では平安時代に取り入れられました。日本と中国では位置も気候も異なり、必ずしもすべてが日本の気候に合うものではありませんでしたが、私達の生活に根付き、現代でもテレビのニュースなどでも「今日から立春です」などと使われています。
日本の霜降の七十二候は初候が10月23日から27日で霜が初めて降ります。次候が10月28日から11月1日で時雨(しぐれ)が時折降ります。時雨とは晩秋から初冬にかけて降る小雨のことですが、いかにも寒そうな響きがしますね。末候が11月2日から6日で紅葉や蔦が美しく彩られる季節です。霜降のころの柿を食べると鼻水を流すことはない、風邪をひかないということわざもあります。柿には豊富な栄養が有り、日本にも「柿が赤くなれば医者は青くなる」という言葉があります。柿を食べれば医者いらず、医者は商売にならないということですね。その他、旬の食べ物として「梨」「栗」「松茸」「銀杏」「りんご」「さつまいも」があります。季節の旬のものを食べましょう。