9月23日は「おいしい小麦粉の日」です。東京都千代田区有楽町に本社を置き、お菓子作りの材料や資材を扱う株式会社富澤商店が制定しました。日付は小麦粉の用途として代表的な「パン」が日本に伝わったのが1543年9月23日の「鉄砲伝来」のときとの説からだそうです。日本で一番小麦粉の取り扱い種類が多い小売店として、多種多様な小麦粉のおいしさを知ってもらうことが目的として、2018年に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。小麦粉にはいろいろな種類があり、小麦粉で味や膨らみが変わってきます。
小麦粉の種別は、含まれるタンパク質の量によって異なります。中力粉や強力粉はいずれも薄力粉よりタンパク質を多く含み、パン作りに適しています。特にソフトなパンにはグルテンを多く含んでいるものが最適です。小麦粉に含まれているタンパク質が水とくっついて「グルテン」を形成し、このグルテンがイーストの発する炭酸ガスを覆うことで膨らむ仕組みだからです。クッキーやケーキなどのお菓子や天ぷら、ムニエルなどの料理に使われているのが薄力粉です。でもパン作りで主に使われているのは中力粉と強力粉、フランスパン専用ともいわれる準強力粉と呼ばれる小麦粉です。このように、料理には料理向きの、パンにはパン向きの小麦粉があり、パンの種類によっても適したタイプは異なります。そのためしっかり特徴をおさえて小麦粉を選べば、より美味しいパンを作ることができます。
グルテンの含有量によってパンの膨らみ方が大きく変わってきます。一般的に含有量が高いほどよく膨らみます。薄力粉はグルテン含有量が6.5~8.5%と少なく、パンには向いていません。強力粉はグルテン含有量が11.5~13.5%と多く、粒が粗く粘りが強いという特徴を持っており、ハード系以外のパン全般に使用されます。中力粉はグルテン含有量が8.0~12.0%で、薄力粉と強力粉の中間の性質を持っています。準強力粉はグルテン含有量が10.0~12.0%で、フランスパン専用として売られていることが多いです。日本はグルテンの質や量で分類されていますが、外国産はアメリカでは小麦の加工法、フランスでは灰分量によって分類されているなどの違いがありますから、外国産の小麦粉を購入する際には覚えておきましょう。とはいっても日本に流通している小麦粉は大手製粉会社が扱っている外国産小麦がほとんです。
近年、国産小麦粉が、しっとりとモチモチ、噛めば噛むほど甘みと香りが広がる日本人好みの味が出るというので人気が急上昇しています。日本に流通している小麦粉はほとんどが外国産小麦を使っています。外国産(主にアメリカとカナダ)の小麦粉はグルテン含有量が多いため、パンが膨らみやすく、とても扱いやすいのが特徴的です。国産小麦を使った小麦粉は吸水率のバラツキなどの点で扱いにくいと言われてきましたが、研究のおかげでだいぶん扱いやすくなってきました。弊社の強力粉「銀河のちから」は、程よいグルテン質で海外小麦を使った小麦粉と比べても遜色ない扱いやすさが特徴で、プロのパン職人に認められるほどの評価を得ています。パン以外にもラーメン、ピザ、フレンチなど小麦粉の用途は多彩でその美味しさに境界線はありません。最近は健康ブームも手伝って、必須脂肪酸などの脂質・ビタミン・ミネラルなどの栄養が多く含まれる胚芽部分まで全て取り込める全粒粉や食物繊維が豊富で糖質の低い表皮部分を加えた小麦粉も人気です。「おいしい小麦粉の日」に国産小麦粉の美味しさを、ご自身でパンなどをつくって味わい、それを生み出す日本の大地に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。弊社の小麦粉で作るパンのレシピもあるので参照してみてください。