日本の農業は高齢化に伴い、後継者不足で離農が加速しています。当社のある岩手県北上市も例外ではなく、予想以上に離農者が加速しており、当社の作付面積も毎年増大の一途をたどっております。現在900haを超える圃場の維持だけでも大変な中、限られた農機、施設、人材で増大する圃場で適正な作業体系を組むのは困難を極めており、特に水稲については人手がかかるので生産性の向上が喫緊の課題となっています。
これまで西部開発農産は、スマート農業、ICT農業の取り組みとして紙ベースで作成していた圃場図面の電子化、手書き作業実績記帳のICT化、基地局の自社設置による畑作物作業での自動操舵の取り組みなどを行ってきましたが、今回、農林水産省予算により農研機構が全体の事業実施主体となり実施している「スマート農業実証プロジェクト」として令和2年度から中山間地域における省力・高能率輪作体系の実証課題に取り組む北上市中山間地域スマート農業実証コンソーシアムに参画しています。
ロボット・AI・IoT等の先端技術を生産現場に導入し、技術面・経営面の効果を明らかにすることを目的に令和元年度から全国展開している「スマート農業実証プロジェクト」は、魅力的で収益性の高い農業経営に変革する重要な鍵を握っています。昨日は、衛星利用測位システム(GPS)の位置情報を利用し、自動で直進する田植え機を試用しました。最新型の田植え機は自動で、しかも等間隔で苗を植えられるので、作業も楽になります。人がハンドルを握らなくても自動で直進することを確認しました。自動田植え機をはじめ、スマート農業によって水稲作業の生産性が上がることを期待しています。そして農業はつらいというイメージがありますが、機械の力を借りればそれほど経験がなくても作業がスムーズにできるので若い人や経験の浅い人でもとっつきやすいと思います。ロボットやAIのような新しい技術が広まって農業をやってみたいという人が増えてくると良いですね。