アスパラガスの販売開始と端午の節句

アスパラガスの収穫の季節です。今日から「せいぶ農産発 焼肉DINING まるぎゅう」の産直所でアスパラガスの販売が始まります。新型コロナウィルスの自粛疲れや気温の急激な上昇など環境の変化が多い、この時期は特に疲労がたまりやすいので気をつけましょう。今が旬の野菜、アスパラガスに含まれる「アスパラギン酸」というアミノ酸はエネルギー源として栄養剤の成分に利用されることもあります。また、アスパラギン酸だけでなく、ビタミンA・ビタミンB群(B1B2B6・葉酸など)・ビタミンC・ビタミンEなど健康維持のために欠かせないビタミン類がアスパラガスには含まれています。これらのビタミンは体内ではほとんど合成することができないため、食物からしっかりととる必要があります。アスパラガスをはじめとした旬の野菜からビタミンを補い、疲れにくい体づくりに努めましょう!

さて、本日は端午の節句です。端午の節句は「屈原(くつげん)」のお話から始まります。中国の戦国時代ですから、今から約2300年前のお話になります。楚の国の国王の側近に屈原(前340頃~前278頃)という政治家がいました。詩人でもあった彼はその正義感と国を思う情は強く、人々の信望を集めていました。しかし、屈原は陰謀によって失脚し、国を追われてしまいます。その時の想いを謳った長編叙事詩「離騒」は中国文学史上、不朽の名作と言われています。故国の行末に失望した屈原は、汨羅(べきら)という川に身を投げてしまったのです。楚の国民達は小舟で川に行き、太鼓を打ってその音で魚を脅し、さらにちまきを投げて、屈原の死体を魚が食べてしまわないようにしました。その日が中国の年中行事になり、舳先に龍の首飾りをつけた龍船が競争する行事が生まれたようです。これは今日のドラゴンレース(龍舟比賽)の始まりであり、ちまきの起源と言われています。

このような話から毎年命日の55日の屈原の供養のために祭りが行われるようになり、やがて中国全体に広がり、国と人民に尽くした屈原の政策は死んだ後も惜しまれ、多くのちまきを川に投げ入れて国の安泰を祈願する風習に変わっていきます。そして、その風習は病気や災厄を除ける大切な宮中行事、端午の節句になったと言われています。三国志の時代に端午の節句は、魏の国により旧暦55日に定められ、やがて日本にも伝わってきました。急に暑くなるこの時期は、昔から病気にかかりやすく、亡くなる人が多かったそうです。そのため、5月を「毒月」と呼んで、厄除け・毒除けをする意味で菖蒲やヨモギ・ガジュマロの葉を門に刺し、薬用酒やちまきを飲食して健康増進を祈願します。

日本の端午の節句は奈良時代から続く古い行事です。端午というものは、もとは月の端の午の日という意味で5月に限ったものではありませんでした。しかし、午と五の音が同じなので毎月5日を指すようになり、やがて55日のことになったとも伝えられます。当時の日本では季節の変わり目である端午の日に病気や災厄を避けるための行事が行われていました。この日に薬草摘みをしたり、蘭を入れた湯を浴びたり、菖蒲を浸した酒を飲んだりする風習がありました。厄除けの菖蒲を飾り、皇族や臣下の人たちにはヨモギなどの薬草を配り、また病気や災いをもたらすとされる悪鬼を退治する意味で馬から弓を射る儀式も行われたようです。

55日の端午の節句に「鯉の吹き流し」を立て、「武者人形」を飾って男の子の前途を祝うようになったのは徳川時代からです。55日の節句は、五と五を重ねることから「重五」、菖蒲を用いることから「菖蒲の節句」などと呼ばれています。「五」と「午」が相通ずることから初節句を「端午」「端五」(端ははじめの意)と書きました。武士の間では尚武(武を尊ぶ)の気風が強く、「菖蒲」と「尚武」をかけて端午の節句を尚武の節日として盛んに祝うようになったのです。55日は徳川幕府の重要な式日に定められ、大名や旗本が式服で江戸城に参り、将軍にお祝いを奉じるようになりました。また、将軍に男の子が生まれると表御殿の玄関前に馬印や幟を立てて祝いました。このような時代の変遷のなかで、薬草を摘んで邪気を払うという端午の行事が、男の子の誕生の祝いへと結びついていったと考えられます。やがてこの風習は武士だけでなく、広く一般の人々にまで広まっていきます。はじめは、玄関前に幟や吹き流しを立てていたものが、やがて厚紙で作った兜や人形、また紙や布に書いた武者絵なども飾るようになっていったのです。さらに江戸時代の中期には、武家の幟に対抗して、町人の間では鯉のぼりが飾られるようになりました。

 

今年は新型コロナウィルスの脅威もあり、菖蒲湯に浸かって無病息災を祈りたいですね。菖蒲湯に浸かることで、暑い夏を無事に乗り切れるとも言われています。菖蒲は香りが強いので、その香りで心身ともにリラックスできます。緊急事態宣言が延長されたのでコロナ疲れを子供と一緒に菖蒲湯に浸かることで今日は、癒やしましょう。そして、旬のアスパラガスを使った、季節感のある食卓で食欲も心も満たしましょう。生活リズムを整えるとともに、旬の野菜を取り入れたバランスのよい食事で体のコンディションを整えることでコロナとの長い戦いを乗り切りましょうね。

(参考)アスパラの保存法はこちら