「米マッチングフェアin 大阪」が、新大阪のホテルワシントンプラザで行われ、参加してきました。昨年に引き続き、今回、2回目の出展でしたが、関西の米卸や外食業者の方に来場頂きました。今回、セミナーでは業務用米に取り組む農業生産法人やプロの料理人からみたお米についての講演を聴くことができました。
家庭用米の需要が落ち続けている中、日本でお米の需要が伸びているのは業務用米です。しかし、所得から生産者は業務用米に取り組むのは消極的で、相変わらず、業務用米は不足しており、米市場には需給ギャップがあります。
家庭用米から業務用米にシフトを決断し、多収米で10aあたりの売上を伸ばしていくことで活路を開こうとしている山形の農業生産法人FAINや、輸出用米、新市場開拓米や加工用米で米の需要を創造していくことに果敢に取り組む滋賀県の農業生産法人イカリファームの話を聞いて刺激を受けました。出展社同士での意見交換や情報交換を行うこともできたので非常によかったと思います。
商談していて感じたのは、生産者と実需者の意識ギャップです。市場ニーズを社内でシェアした後、これから自社の戦略をどうするかが非常に重要だと感じました。農業生産法人だからひたすら生産することだけで市場ニーズを把握せずに作付けするのは、市場から取り残されるという危機感を持ちました。家庭用米だけではジリ貧という声が高まっているなか、弊社の米戦略はどうあるべきなのかということを考えさせられました。
広尾や西麻布などで4店舗を展開している日本料理「分とく山」の総料理長である野崎洋光氏の講演では、お米の味を超えるおかずの氾濫がお米を不味いものにしているということでした。お米の淡味を超えない味をつくるのが日本料理の基本ということです。お米の香り、淡味を大事にしてもう一度、お米の価値やお米の美味しさをはっきりさせていかなければなりません。米のブランドより炊き方の方が重要で、お米に携わる人は炊飯器に任せるのではなく、お米が炊けるメカニズムを知らなければならないという話もありました。お米は安すぎるからお米自体に価値が見出せなくなった今、お米の価値を見直し、その価値を認めてもらうような活動が大事だと思いました。本来、産地がもつ資源である「水・米・空気」が最高の食材であることをもう一度、日本人に思い起こさせることは非常に重要だと思いました。