東北農政局主催「6次産業化勉強会」に参加しました。日本の食は安心安全と言われますが、年間2万件以上も顕在化している食中毒が減少しないという現実があります。また、海外からは日本の食が安心安全ということは国際基準に則った証明がなされない限り、信用されないという事実もあります。昨年6月に公布された食品衛生法等の一部改正はその国際基準に基づく衛生管理を事業者に義務付けたもので3年以内に完全施行となります。基本的な考え方は、一般衛生管理に加え、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理手法、つまり、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去低減させるために特に重要な工程を管理し、安全性を確保するというものです。先進国を中心にコーデックス委員会(国際連合食糧農業機関及び世界保健機関により設置された国際的な政府間組織)が定めた7原則による衛生管理手法の導入を義務付けすることが進められています。消費者に食の安心安全を謳うためには、この考え方に基づく衛生管理を行っていること及びこれを満たす施設基準が第三者による認定・認証をとっていなければ信用されません。既に国内の大手流通や輸出においても取引条件となっているので待ったなしの状況です。日本もようやく国際基準に則った衛生管理の導入を義務付けるようになったのですが、まだまだ大多数を占める中小事業者に浸透しておらず、国も自治体も危機感をもっています。事業者の規模(従業員50人を基準とする予定)によって衛生管理の取組方法を分けるような手立ても考えられているようです。準備期間が1年くらいかかるともいわれており、導入に抵抗のある事業者も多いようですが、勉強会では事例紹介として費用の掛からない自治体HACCPの導入から始めて従業員の意識が変化したところや将来を見据えて自社商品の安心安全を謳い、取引先から信用されるために施設基準まで含めた国際認証FSSC22000を従業員8名の事業者が補助金を活用して認証取得した事例などを紹介いただきました。受け身ではなく事業者自らが主体的に早めに取り組んでいかなければ置いていかれるのは間違いないでしょう(対応していない事業者は遅かれ早かれ商売にならなくなるのは明白です)。同様に食品表示(個別表示・一括表示・原材料の産地表示・アレルギー表示・栄養表示等)についても法律で定めたことなので農畜産物の物販においても早めに対応していかなければならないです。経過措置があるとはいえ、依然、食品表示違反のものが産直所を中心に散見され、農産物の売上が伸びている産直所での販売に水を差すことになりかねません。事業者の見識が問われる事態だと感じました。