JETROセミナー

先日、盛岡でJETROセミナーがあり、参加してきました。なぜ輸出に取り組むのか、その目的を経営者層が明確に位置付けることが重要で、輸出しなければどうなるのか、そこまでイメージして輸出に取り組んでいるのかを明確化しないと輸出に取り組んでも失敗するケースが多いようです。輸出しなければならないという空気に流されていると失敗するという話が印象的でした。花巻空港から台湾や上海への直行便が運航され、人や物の交流が増えると様々なビジネス機会が生まれてきています。日本の農林水産物・食品の中国や台湾への輸出額は大きいですが、反面、JETROのアンケートでは全体の40.7%の事業者が中国や台湾の現地での規制や運用が頻繁に変更されることに問題を感じているとのことです。こういったチャンスとリスクを踏まえて対処していかなければならないと思いました。また、東京ではJAPAN MALL事業(米国・食品)説明会にも参加してきました。世界のEC小売額は中国と米国を中心に成長を続けています。日本は両国に比べるとかなり出遅れてしまっており、クレジットカードや第三者決済(Ali PayPayPalなど)の浸透が大きさ差を生んでいる原因といわれています。米国ではECによるレストランデリバリーも伸びておりUber Eatsなどのサービスの普及が背景にあります。国境を越えて海外からの食品をECで買える・売れる時代が到来し、越境ECも伸びてきています。JETROは海外の主要ECサイトに「JAPAN MALL」を設置、海外ECサイトによる日本商品の販売を支援するそうです。昨年は香港やシンガポールで実証実験を行い、日本食品の評価が高かったので今年は米国のECサイトで日本食品を販売する事業に乗り出すとのこと。説明会を聴いて一番大きいのは中小企業にとってリスクの少ない日本国内での買取り条件で継続輸出の可能性を高める取組みを行う点です。米国向けにはJFCが事業者と商品を選定して輸入、楽天が米国ECサイトで日本の食品特集ページを開設し、10月より販売するようです。米については価格差が理由なのか、日本産米は米国内で需要は伸びておらず、日本の米粉を使ったグルテンフリー食品(パスタ、お菓子など)が成長しているとのことでした。また、ベイエリアを中心に日本のラーメンが大人気だそうです。南米は日本食ブームが始まったばかりで米州市場はこれからまだまだ日本食の需要が伸びることが期待されます。農産品・食品の輸出動向には今後も情報収集に努めたいと思います。