大阪・中之島にあるリーガロイヤルNCBにおいて全国農業再生推進機構と株式会社グレイン・エス・ビーが主催・開催する「米マッチングフェア2019」に出展しました。平成30年産米から行政による生産数量目標の配分がなくなる中で、今後一層、米産地の法人や農協等がユーザーである中食・外食事業者等と結びつき、当該事業者のニーズに応じた生産を行い、複数年契約や播種前契約を締結するなど安定した取引につなげていくことが重要です。事前登録を中心に約100社の外食・中食業者や卸・商社の方が来場しました。他の総合食品展示商談会と比べて来場者数は多くなかったですが、米に絞った展示商談会のため、様々な方と名刺交換をして有意義な情報が得られました。また、セミナーでは日本のお米を取り巻く環境は国内需要の減少が予想以上のスピードで進んでいることや米国産の米との大きな生産コストの差があることなど厳しいものがありますが、なんとか切り抜けていこうという関係者の熱意を感じました。勢いのあるパン食に対して需要が減少している米食の問題については、「お米は太る」という誤解払拭に向けた情報発信やおにぎりダイエットの普及、付加価値をつけたコメ関連商品の開発など農水省や様々な関係業界の横断的な連携により取組みが進んでいます。業務用の米についてはコストパフォーマンスの高いものが要求され、需給のミスマッチが起こっている(業務用のお米は不足している!)という話もありました。各県でブランド米の競争が激化していますが、これらは市場縮小を続ける一般消費者向けの米であり、市場拡大を続ける業務用の米については取組みが不足しているように感じました。生産者も今後、市場別に需要に合った米の生産やコストパフォーマンスの高い米の作付がより求められるのではないかと思います。そして、業務用・一般家庭用には炊飯環境に応じた米の食味評価(数値データ化)、炊飯器による米の品種の向き・不向きも明確にして、より魅力ある米食の世界を切り開いていく必要があると感じました。